主な生活習慣病
生活習慣病は、過食や偏食、運動不足、喫煙や飲酒など、生活習慣の不摂生が主な原因となって起こってくる慢性疾患です。心疾患、脳血管疾患などを引き起こす誘因となりますが、適切な治療を受け、生活習慣を見直すことによって予防・改善が可能です。
高血圧
血圧が高い状態が維持されている状態です。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、診察室血圧130/80mmHg以上、家庭血圧125/75mmHg以上とされており、家庭血圧のデータが優先されます。高血圧は、血管壁が圧力によるダメージを受け続けて、血管壁が厚くなったり、硬くなったりする動脈硬化の原因になります。これによって、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などを発症するリスクが上昇します。
脂質異常症(高脂血症)
一番多いタイプは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の濃度が慢性的に高い状態です。これは、エネルギー過多な食生活や喫煙、飲酒、運動不足などの要因が重なって引き起こされると考えられています。脂質異常症は動脈硬化の原因になり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などを発症するリスクが上昇します。
高尿酸血症(痛風)
血液中の尿酸が多くなり過ぎて、尿酸値が7.0mg/dL以上を維持している状態です。尿酸が蓄積すると血液中に溶けきらなくなって結晶化を起こし、手足など溜まっていきます。痛風発作では、この結晶が激しい痛みを引き起こしています。痛風発作がない状況でも高尿酸血症が持続すると、腎障害、高血圧、心血管系疾患等の頻度が増加します。食事や運動により、尿酸値を6.0mg/dL以下までにすることが重要です。状態によって、尿酸の生成を抑制する薬や、尿酸の排泄を促す薬などを使う場合もあります。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
内臓脂肪型肥満であり、血圧・血糖・血中脂質の2つ以上が基準値を超えている状態がメタボリックシンドロームです。内臓脂肪型肥満は、内臓周辺に脂肪が溜まっていて、お腹がぽっこり出ていることが特徴です。メタボリックシンドロームは、血圧、血糖、脂質値に異常が現れやすく、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病リスクがとても高くなっています。それぞれの数値がそれほど高くなくても、複数の数値が高めになる場合が多く、動脈硬化が進行しやすいとされています。そのため、心筋梗塞や脳血管障害といった生命にも関わる心血管疾患のリスクが高まります。
メタボリックシンドロームの診断基準
必須項目
内臓脂肪型肥満:ウエスト周囲径
※測定は、立位・軽呼気時・臍レベル
男性:≧85cm
女性:≧90cm
選択項目
下記の2項目以上に該当
高トリグリセライド血症:≧150mg/dL
低HDLコレステロール血症:<40mg/dL
収縮期(最大)血圧:≧130mmHg
拡張期(最小)血圧:≧85mmHg
空腹時高血糖:≧110mg/dL